みなさんこんにちは(*´∀`*)
ほのぼのおやじんです。
幼児期のこどもの会話の中で時々聞かれる『とうもころし』。
微笑ましくて、面白くて、我が子にとうもろこしを見せて「これは何?」と聞いたことがある方もいるかと思います。
おとなの人には懐かしい、となりのトトロのワンシーンの中でもメイちゃんが『とうもころし』と言っていましたね。
今回は、どうして幼児期のこどもが『とうもころし』と言うのかについてまとめてみましたので、よかったら最後までご覧下さい。
こどもの脳は未発達
幼児期のこどもは、身体のさまざまな部分がおとなに比べて未完成であるがゆえに、おとなであれば容易にできることでも困難を伴うことが多く見られます。
これは発音に関しても同様で、『とうもころし』と言ってしまう理由は様々ですが、理由のひとつに調音の難しさがあると言われています。
調音とは、『言語音を発音するため、舌や唇などの調音器官を動かし声道の形を変えることによって、気流に影響を与え、様々な種類の音声を作り出すことをいう』ことです。
わかりやすく言うと、『聴音が難しいと=舌が回りづらい』と言うことになります。
そのため、『とうもろ→こし』と発音するよりも『とうもこ→ろし』と発音する方が幼児期のこどもにとって易しいために『とうもころし』という発音になってしまうそうです。
他にも
・エレベーター →エベレーター
・やわらかい →やらわかい
・おくすり →おすくり
・じゃがいも →がじゃいも
などなど、こどもの会話の中で思わずクスッとなってしまう言葉が、注意して聞いてみると意外と多く聞かれます。
音位転換について
先ほどの例であげた
・とうもろこし →とうもころし
・エレベーター →エベレーター
・やわらかい →やらわかい
・おくすり →おすくり
・じゃがいも →がじゃいも
などは、実はある言語学的な法則によるものなのです。この法則を『音位転換』と呼びます。
『音位転換』とは、簡単に言えば発音しにくい音の並びが、より発音しやすい並びに入れ替わることです。
おとなでも言ってしまう『音位転換』
『とうもろこし』を『とうもころし』と言うおとなは少ないと思いますが音位転換そのものはおとなにも多くみられます。
代表的なものとしては、『雰囲気(ふんいき)』を『ふいんき』と話す『音位転換』です。
また、『シミュレーション』を『シュミレーション』と発音したり、『コミュニケーション』を『コミニュケーション』と発音することも見られます。
これは、日本語にある『趣味(シュミ)』や『込み・混み(コミ)』の音に影響を受けているとも考えられており、こうしたケースは、『類音牽引』と呼ばれています。
定着した『音位転換』
さまざまな『音位転換』の中で長い歴史の中で定着した言葉もあります。
例えば『山茶花(さざんか)』は、以前は『さんさか(さんざか)』と読まれており、また『新しい(あたらしい)』は、今から1200年以上も昔の奈良時代では『あらたしい』と読まれていたものが、後の平安時代になって『あたらしい』に変化したといわれています。
まとめ
幼児期のこどもの『とうもころし』について調べてみると実は『音位転換』という、私たちが日常生活の中で発音しやすいように日本語を並び替え変化させた言葉であり、古くは奈良時代からの歴史にまでたどり着くことがわかりました。
この『音位転換』ですが、日常生活の中で多く使われているにもかかわらず、未だ教科書では正解とされない読み方(発音)は多くあります。
私たちも何気に間違えた『音位転換』や『類音牽引』を使っていると、逆に、こどもにクスッと笑われてしまうかもしれませんね(笑)。
最後におとなでも間違えやすい『言葉の一例』について紹介いたします。
(正) (誤)
・全員(ぜんいん) →ぜいいん
・原因(げんいん) →げいいん
・店員(てんいん) →ていいん
・女王(じょおう) →じょうおう
・2.5(にてんご) →にいてんご
・体育(たいいく) →たいく
・洗濯機(せんたくき) →せんたっき
・舌鼓(したつづみ) →したづつみ
・雰囲気(ふんいき) →ふいんき
・手持無沙汰(てもちぶさた) →てもちぶたさ
いかがでしたでしょうか。
私たちも『今は』気をつけないといけません(笑)
ただし、日本語は現在も時代に合わせて少しずつ変化しているので、もしかしたら近い将来、上記の言葉も変化しているかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました(*´∀`*)