ほのぼのおやじんのひとり言

保育園に務めている経験を生かして、保護者支援や子育てについてのブログをメインにアップしていきます!

こどもの『野菜嫌いの悩み』について~こどもの理解と対応のポイント~

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みなさんこんにちは(´▽`*)✨✨

ほのぼのおやじんです。

 

突然ですが、こどもの野菜嫌いについて悩んだことありますか?

こどもの健康を願って愛情込めて作った料理に対して食べ残しが多かったり、好きなものしか食べないことってあるあるですよね。

 

そのたびに、味付けを変えたり、材料を細かく刻んだりなど、様々な工夫をされていることだと思います。

 

こどもの野菜嫌いの悩みは結構多く聞かれ、かく言う私もこどもの時は葉野菜以外すべて苦手でした(笑)

料理を作ってくれた親にたくさんの苦労をかけたなと申し訳なく思っています・・・

しかし、そんな私も現在では野菜を好んで食べています。

 

今回はこどもの野菜嫌いについての理由や野菜を食べる工夫などについてお話ししていきたいと思います。

 

こどもの味覚について考える

 

味覚とは

 

こどもの野菜嫌いを考えるうえでまず、こどもの味覚について理解する必要があります。

 

先ほど私が『こどもの時は野菜全般が苦手だったが現在では好んで食べることができるようになった』ということが鍵になります。

皆さんもその様な経験ありますよね。

それではさっそく参りましょう。

 

まず、人間の味覚は『甘味』『塩味』『旨味』『酸味』『苦味』に分かれます。

つぎに味覚のそれぞれの役割を見ていきますと

 

甘味→エネルギー源である糖を感知

塩味→体液のバランスに必要なミネラル分を感知

旨味→体に必要なアミノ酸&核酸を感知

酸味→腐敗している、果物などが未熟であることを感知

苦味→毒の存在&薬の感知

 

という役割になっています。

舌には人間が生きるうえで重要な働きがあります。

また、舌には味覚を感じるセンサーの役割を果たす、『味蕾(みらい)』があり、味蕾が多いほど味覚を強く感じ、味に対して敏感になります。

この味蕾の数は年齢によって変化します。

 

味蕾の数は乳児の頃がピークという説と12歳ぐらいまでがピークという説がありますが、約10,000個ある味蕾の数が成人になると約7,500個に減り、高齢者に至っては3,000~4,000個に減少していきます。

つまり、『こどもはおとなに比べて敏感に味を感じている』ということになります。

 

本能的に好む味は

 

人間が本能的に好む味は『甘味』『塩味』『旨味』といわれています。

これは、赤ちゃんが生まれて初めて口にする母乳やミルクに大きく関係しています。

母乳の成分は糖質・脂質・たんぱく質・ミネラルで出来ており生まれてからずっと母乳やミルクだけを飲み続けているため、ほかの味覚よりも『甘味』『塩味』『旨味』が先に発達していくのです。

 

本能的に苦手な味は

 

逆に、人間が本能的に苦手な味は『酸味』と『苦味』ということになります。

味覚の役割を見て頂くと、

酸味→腐敗している、果物などが未熟であることを感知

苦味→毒の存在&薬の感知

『酸味』や『苦味』は有害な成分と脳が判断しているのですね。

 

こどもが野菜を食べて感じ取った『苦味』は本能的に『毒』=『有害』と脳が判断したということになるので、野菜を食べないということは『自然な現象』だといえます。

 

ポイント!  

・こどもはおとなに比べ、敏感に味を感じている(味蕾の数が多い)

・『苦味』は『有害』な成分と本能的に感じ取っている

・こどもが野菜を拒否するのは『自然な現象』だと理解する

 

注意点!  

健康のためにという思いで、嫌がるこどもに無理やり食べさせようとすると、『嫌な経験』『辛い経験』として記憶されてしまい、食事に対してネガティブな感情を抱いてしまったり、食材に対するトラウマとして残ってしまいます。

 

私たちが出来ることについて

 

野菜嫌いなこどもと向き合っていくうえで一番重要なことは、こどもにとって『食事の時間が楽しい時間だと感じる』ことになります。

実際に私たちに出来ることについて、いくつか紹介していきます。

 

食事の準備を手伝ってもらう

 

こどもは『お手伝い』が大好きです。

『お手伝い』を通して責任感を養うことができ、こどもの存在を認めることにより、こどもは『自分のことが好き』という気持ち『自己肯定感』が高まります。

あわただしい毎日、ついつい「大丈夫だよ」「危ないから」「大きくなったらね」なんて言葉も出てしまうこともあります。

これは、せっかくのこどもの『主体性』や『成長』のチャンスを逃してしまうことになります。

 

しかしながら、あわただしい毎日の中で、常にこどもに気を配ることも大変だと思います。

こどもが『やりたい』と言ってきたときや、食事の準備に興味を示したときにこどもにお願いしてみてください。

こどもにもできること『どんな小さなお手伝い』でも大丈夫です。

たとえば

 

・箸やお皿を運んでもらう

・野菜を洗う

・トウモロコシやたまねぎなどの皮むきを行う

・味見をしてもらう

 

などなど、失敗しても、上手に出来なくてもよいのです。

お手伝いを行ってくれたことに対して「○○ちゃんありがとう」「○○ちゃんのおかげで助かったよ」という言葉をかけてあげることで、食に対して楽しい気持ちを持つことができるようになります。

大切なのは、こどもがお手伝いを通して『一緒に食事の準備を行なっている』と感じることです。

言い換えると、受け身型の食事から参加型の食事に変化させるということです。

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楽しい食事の時間を過ごす

 

保護者との相談の中で『家ではほとんど野菜を食べないのに保育園では野菜を食べると聞いて驚きです』という言葉をよくいただきます。

どうしてでしょう。

保育園では、たくさんのこどもたちが生活しており、大好きなお友達と一緒に食事をしています。

食事時間は、いつもたくさんの笑い声が聞こえてきます。

 

大好きな人と一緒にレストランで食事を待っている時や、食事が出てきたときのことをイメージしてもらえば分かりやすいかもしれませんね。

この時の時間はとても『ワクワク』して『楽しい』時間ではないでしょうか。

大切なのは、『楽しく食べる雰囲気を作る』ことです。

こどもの周りに大好きな人がいて笑い声であふれている。

あわただしい毎日の中では難しいこともあるかと思いますが、とても大切なことです。

『できるときにできること』を行うだけでも十分ですので、ぜひ楽しい時間づくりを意識してみてくださいね。

レストランのように食事中に音楽を流す『特別な日』を演出するだけでも楽しい雰囲気になりますよ。

テーブルの上に一輪挿しを飾るのも効果的です。

 

また、こどもは周りでおいしそうに野菜を食べている人の姿を見ていると『食べてみよう』という気持ちになります。

ほんのちょっとでも野菜を食べたことに対してしっかり認めてあげることで、『食事は楽しい』ということが脳に記憶されていきます。

また、その経験が次のチャレンジにつながっていきます。

 

食の大切さや、感謝の気持ちを伝える

 

みなさんは、食事の前に『いただきます』食事の後に『ごちそうさまでした』と言っていますか。

食事は他の『命』をいただきながら自分の『命』を維持しています。

この命の循環、食物連鎖が『いただきます』『ごちそうさまでした』という言葉に表れているのです。

乳幼児期のこどもたちに、食事に対する感謝の意味について理解できない部分は多いかとは思いますが、こどもはおとなの姿を見ておとなを手本として育っていきます。

『こどもは親の鏡』というようにおとなが使う言葉を同じように使い、おとなの行動もこどもは同じように真似をして成長していきます。

 

日常生活のなかでの、おとなの姿こそが『こどもの生きる学び』につながるのです。

 

その他にも、家庭菜園を通して野菜の成長を感じ、大きく育った野菜の収穫体験も、こどもにとって命の大切さについての重要な学びとなります。

家に庭がなくてもベランダでミニトマトを栽培したり、牛乳パックでカイワレ大根を育てたりと、様々なことができます。

こどもと一緒に育てて収穫した野菜は、こどもにとって格別なものになるでしょう。

保育園でも自分たちが育てた野菜は食べた』ということはよく見られます。

 

味覚の発達と嗜好の変化について

 

味覚について、生後2~3ヶ月から味に対する好みが出て、10歳~15歳ごろまでに終わると言われています。

また、味覚には学習機能があり、嗜好の変化も年齢とともに変化していきます。

たとえば

 

・ブラックコーヒーが苦くて飲めなかったが、好きな人がブラックコーヒーを飲んでいるのを真似して、無理して飲んでいくうちに好んでブラックコーヒーを飲むようになった(実話)

・ピーマンが苦手だったが自分で育てたピーマンを食べるうちに食べることができるようになった

・ナスが嫌いだったが、周りの人がおいしそうに食べている姿を見て食べてみたら、意外とおいしく感じた

・ニンジンが嫌いだったが、少しずつ食べていくうちに嫌いではなくなっていった

 

などなど、私たちは成長とともに味覚や嗜好も変化しているのです。

 

まとめ

 

なんでも好き嫌いなく食べてもらえることが一番ですが、神経質になりすぎることで、こどもに無理やり食べさせ『嫌な経験』『辛い経験』として記憶されてしまい、食事に対してネガティブな感情を抱かせてしまったら大変です。

 

野菜を食べさせようとするより、まずは、こどもにとって『食事の時間が楽しい時間だと感じる』ことを考えていくことが大切になります。

 

ポイント!  

・こどもの味覚を理解する(おとなに比べて味覚に敏感)

・お手伝いを通して受け身型の食事から参加型の食事に気持ちを切り替える

・楽しい食事の時間を過ごす

・食の大切さや感謝の気持ちを育む

 

最後に、あわただしい毎日の中でこどもと向き合い、子育てを行っている保護者の方々には頭が下がります。

上記についての内容は大切なことですが、すべてを行ってくださいということでも、出来ていないことで落ち込む必要もありません。

大切なことは、『自分ができる時に、自分ができること』を行ってほしいということです。

こどもと同じように私たちにもその時の気持ちの状態や、時間の制限など、その人なりの状況がありますので、周りに流されず、頑張りすぎないようにしてくださいね。

 

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こどもに意識を向けているだけでこどもはその思いを感じ取り、いつかその思いを返してくれますよ。

また、少々子育てに手を抜いてもこどもは逞しく育っていきますよ。

 

こどもの時に大変な野菜嫌いな私でしたが、現在まで幸いにも目立った大きな病気はせず40過ぎまで育っていますし、長女20歳、長男19歳、次女15歳、次男9歳もいろいろと好き嫌いはありますが、現在、健やかに成長中です(笑)

 

おとなの笑顔がこどもの笑顔

こどもの笑顔がおとなの笑顔

 

最後まで読んでいただきありがとうございました(´▽`*)